誰にも言えない秘密の結婚



藤原さんに連れられて来た公園は桜が咲いていた。


ところどころ蕾の桜もあるけど。



「キレー!」


「だろ?ここに来る時に、桜が咲いてるのを見て、吉田と一緒に見たいなと思ったんだ」


「そ、そうだったんですね」


「あぁ。座ろっか?」


「はい」



私と藤原さんはベンチに座る。


ピッタリとくっ付いて座るわけじゃなく、藤原さんとの間に微妙な距離があるけど、それでも昨日、公園に行った時よりドキドキしていた。



「昨日の公園はまだ蕾で、まだ咲きそうにないなと思っていたけどね」


「そうですね」



私は少し顔を上げて桜を見る。


薄ピンク色の桜。


これが満開になったら、もっともっと綺麗なんだろうなぁ。




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