青空の約束 ~先輩と私の初恋~




「ん?…えっ、塚本先輩!?」


いかにも探してましたと言わんばかりの荒れた息遣いに、軽く汗を流しながらもなぜか爽やかで先輩とはまた違ったタイプの塚本先輩。


イケメンは友達もイケメンのようだ。
二人とも性格は真逆みたいだけど…


「やっと見つけた…!吹季ちゃんとこ教室遠すぎるし。走り過ぎて暑いし、あぁー疲れたー」


手でシャツをつまみ扇ぎながら当たり前のように自然と教室の中へ入って来たと思えば、空きイスを持って来ては私たちの輪の中へ溶け込む先輩。

三年生が一年生の教室にいる、ましてやあの塚本先輩ということだけに、いつにない光景に教室にいる生徒の視線が私たち一点に集中していた。


「どうしたの?固まってるけど」


「いや急に塚本先輩が来たからですよ!固まってるのは私たちだけじゃないです…」


周りをキョロっと見渡すも俺のせいじゃないと言いたげに可愛い顔で見つめる塚本先輩。


あざとい…とはこういうことか。


「何かあったんですか?急いでいたみたいですけど」


「あっ、そうそう!飛鳥見た?」



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