キミの音を聴きたくて


「お、お願いします。
見逃してください」



勢いよく頭を下げる。
彼の顔をこのまま直視していたら、きっとプレッシャーに負けていた。



どうしても、音楽の授業には出たくない。



出ないと単位が足りなくなってしまうことも、内申点が下がってしまうことも、全部わかっている。




それでも、音楽だけは嫌だ。



だって私には、音楽に携わることが許されていないんだから。



こんな状態で授業に出るわけにはいかない。




「んー、どうしようかなぁ」



けれど、私がこんなにも必死になってお願いしているというのに、彼は。
呑気に腕を組みながら考えているなんて。



もっと真剣に取り合ってほしい。
そんな希望は捨てて、とりあえず懇願する。



というか、生徒会長なら普通は指導すると思うんだけれど。

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