キミの音を聴きたくて
「お姉ちゃん……」
天音先輩につられて、私も近寄る。
そっと撫でると、お姉ちゃんの声が聞こえた気がした。
『陽葵』
そう言って、優しく呼ぶ声。
大好きな、自慢の姉だった。
私が輝けたのはお姉ちゃんがいたからだ。
私が歌えたのも、音楽を好きになれたのも。
全部お姉ちゃんと一緒だったから。
そして、きっとそれは……天音先輩も同じ。
「私、また歌い始めたの」
思わず笑顔になって、まっすぐに向き合う。
そして、ずっとお姉ちゃんに伝えたかったことを話す。