また、明日。
「ぐっ…」
「有里…?」
突然、ドクンと心臓が脈打ち苦しくなった。
異変に気づいた爽真が急いでナースコールを押す。
『そう…ま……』
「有里、大丈夫
落ち着いて深呼吸して」
「そ…ま……大好き……」
「俺も世界一大好きだよ!」
しばらくすると、主治医の先生と看護師が駆けつけた。
「有里さん!深呼吸して!」
言われるがまま深呼吸をするが発作が治まる気配はない。
「爽…真……」
「大丈夫、傍にいるよ」
そう言い私の手を強く握ってくれる。
「先生!脈拍40です!」
無数の儚い「もしも」を切り裂く
心電図の音
「爽真……
私…もっと爽真と…一緒にいたかったよ…」
「そんな最期みたいなこと言うなよ!」
「爽真……
私…死にたくないよぉ…」
「有里…っ」
今にもなき出しそうな顔で私の名前を呼ぶ。
「爽真……爽真………」
「いるよ!傍に居るから!安心して!」
「爽真……枕の下…見て…ね……」
「嫌だ…嫌だよ有里……っ」
彼はとうとう泣きだしてしまった。
彼の泣き顔なんて見たことがなかった。
思わず私の瞳からも涙が溢れ出てきた。
「爽真…大好き……っ」
「俺もっ、俺も大好き!世界一大好きだから逝くな!」
「ごめんね…爽真……」
「有里っ
置いてくな!!」
「そ…うま……
…愛…して…ま…す……」
この思い、届くといいな…
君にいつか……
「有里ー!!!」
その声を最期に私の意識は途絶えた