純情オレンジ




「おはよー」



あれから5分近く経って部活用のバッグを背負っている長本さんが入って来た



なんか見るからに重そう



と思ってるよりも、まず話しかけないと



「おはっ」



「おはよーみかんちゃん!」



「おはよー!朝練お疲れー!」



「うんー」



さすがにダメだった…



というかまだおはようまで言えなかったし



ここで言えなかったら他にチャンスはないかも



ど、どうしよう、と悩んでいると



「…藍澤さん、おはよー」



へっ!?と変な声を出しそうになった



「あぁぁ…!うん…!おはよー…」



向こうから話しかけてくるのは予想外だった



でも今がチャンスだ



「あのっ長本さっ」



「はい、予鈴もう鳴るから早く席座って〜」



先生の声とかぶってしまい、そこで私の声は途切れた



「せ、せんせぃ…」



「ん?どしたの?」



「あ、いや……朝練、お疲れ様です…」



「あ、うん」




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