純情オレンジ




勇気を出して言った一言



嫌かもしれないけど



「…まじで!?ほんとに!?」



と、予想以上に嬉しそうに喜んでいる



「う、うん!長本さんがいいなら…」



「いいに決まってるじゃん!めっちゃ助かる!ありがとー!」



傘をさす私に遠慮なく隣に入ってくる長本さん



ち、近い…



こんな距離で大丈夫なのか…



同じ道を歩いて帰っていると



「あ、今気づいたけど、藍澤さんの傘の色藍色だー」



と長本さんが傘を指差してそう言った



「うん、お母さんが藍色が好きで…」



「へー、確かに‘‘藍’’澤だもんね!藍澤さんは藍色好きなの?」



藍色…か



藍色ってまさに自分を表してるような色みたいで、あまり好きじゃない



暗くて目立たない色…




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