【完】きみしょーこーぐん。



ーーーーーーーーー



そんなこんなで、もう当日。


狭山は律儀だから“友チョコ”の私にもきっとお返しをくれるんだろう。


うん。

もちろん嬉しいよ。

狭山がくれたってだけで私にとったら宝物だよ。


でも、私は“友チョコ”。
所詮“友チョコ”。



狭山と付き合う権利なんて、しっかり本命をあげた子からしたらないだろう。


なにやってんの、私。



なんで“友チョコ”なんて言ったの?私。





「あーあー。」


「どうかしたのか?」




ため息をこぼして、幸せ逃げた、なんて思ってた私に声をかけてきたのは




「狭山!」



だった。


朝から狭山に会ったことが嬉しいけど、ホワイトデーだから。
なんだか悲しい。




「朝からため息なんて溢してさ、お前不幸になるぞ?」


「うるさいな~ぁ。私はため息ごときで不幸になんてならないんです~!ラッキーガールなんです~」




ふんっと鼻をならして言ってやった。




「そ?じゃー、そんなお前にこれやるよ」


< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop