1 week
その夜は日向くんのことしか考えられなかった。

宇宙が帰ってきて明日の話をする。

「何時に家出る?」

「うん?…あぁ、美術館ね。

10時に出れば良いんじゃないかな?」

私の返事はどこか上の空だと自分でもわかる。

「夏月、おかわり。…夏月?おい。」

「え?あ、あぁ…おかわりね。」

宇宙は少しイライラしていたんだと思う。

私はそれでも夕方、あの路地裏で自分の身に起きた
若い男の子との甘い出来事から抜け出せずにいた。

私は最低だった。

宇宙が浮気したから悪いなんて自分を正当化して
私は日向くんとの夢を見る。

触れられた唇が熱くなって身体が火照る。

その夜、宇宙はまた私を求めた。

私は宇宙の身体を利用した。

日向くんが触れた唇に宇宙が触れる。

そう思うと堪らない気持ちになった。

「今日の夏月…なんかやらしいな。」

宇宙が悪い。

美華なんかと浮気するから。

私は日向くんを思って宇宙に抱かれる。

昨日とは全く違う気持ちで…

「夏月…」

名前を呼ばれるたびに罪悪感が押し寄せる。

それでも私は宇宙の指に感じてしまう。

日向くんはどんな風に女を愛するんだろう…
なんて思いながら真っ白に染まってく。
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