恋する猫と魔法使い
俺は目の前の小屋の扉を見つめながらルカさんの質問に答えた。

「あいつは猫だ。いつかは道端ででも昼寝をするだろう。その時を狙って俺の魔法でこっちの世界に連れ戻す。」


ルカさんは俺の言葉を聞くとさらに深い森の奥へと行ってしまう。

そして左手をヒョイと上げ前を見たまま俺に言う。


「それから、お前がどんなに悪さをしてもメリッサは戻ってこないぞ。アイツはもう冷え切ってる。」


その言葉を聞いた瞬間、俺の中のなにかが爆発しそうになった。

腹立つ。ルカさんだけは分かり合えない。

どうして俺とアイツの種が、同じなんだ。

アイツが正しいことを言っていることはわかってる。

メリッサがもう目覚めないこともわかってる。

ルカさんの言いたいこともわかってる。

でも、ダメなんだよ。

俺は罪を背負って生きていかなければならないんだよ。

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