恋する猫と魔法使い
鏡に向かって走ると一瞬にして場所が変わった。そして、目の前には絵本の魔法使いみたいなゾラ君の姿が合った。

ゾラ君はアタシに笑って『驚いた?』と言う。

そりゃあ、初めて来たものなら誰でも驚いてしまう。

ゾラ君の住んでいる世界はアタシの想像がつかない魔法ばかりなんだから。

小さなテントの中に鏡がいくつもあってその鏡が通り抜けられる。

ゾラ君がトランプのダイヤの“A”をアタシのでこに当てると人間の姿に変わる。

ナツカはきっとやらないことだろう。

だって、ナツカはまともな魔法の方法しかやらない。魔法の種類は少しあれだけど…。

ゾラ君はビンに入っているホタルを見つめながらアタシに話しかける。
 

「相談事って?大体想像はつくけど」
 

話す前に色々とききたいことはある。

だけど、それを聞いたらゾラ君怒るかな?

そう思ったとき、またアタシの知らない女の人が出てきて『ゾラ君はそんなことで怒ったりしないわよ?逆にため込んでる方が嫌がるから』と言う。
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