朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


ボートレイト伯爵を客間に押し込んで無理してでも休むように命じると、部屋を出た。

手の中には、強力な毒薬。エドガーの命を、奪える武器。両手で包みこみ、何度も願う。全部が夢であってほしいと。だけど、景色はまったく変わりはしないし、毒薬の瓶も手のひらに残ったまま。

お母様。エドガー。どちらも選べない。神様はどうしてこんな残酷な試練を私に与えたの? 王女に産まれた以外は何の取り柄も特技もない、私なんかに。

天井を見上げ、ドアに背をもたれさせたまま深いため息をついた。いっそ自分でこの毒薬を使ってしまおうか。そうしたら楽になれるかな。

一瞬でもそんなことを考えてしまい、慌てて首を横に振る。じゃあ、どうしたらいい? 考えても考えても、答は出なかった。


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