朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


もしかしたら、お母様の体調がどうにも芳しくないのかも。いや、お医者様がシャイレンドルフの人間というだけで幽閉されたりしていたら……。考えれば考えるほど、暗い方へ考えが偏っていってしまう。


「いいのよ! 便りがないのは元気な証拠って言うしね!」


一人で自分を励ましてみる。いつも返事をしてくれた伯爵が近くにいない。結婚式の時は緊張したり高揚していたから感じなかったけど、ふとした瞬間に寂しさを感じる。

アミルカの全てを捨て、この国で生きると決めたのは自分だ。エドガーさえ近くにいてくれれば何とかなると思っている。けど、エドガーは国王としての仕事で忙しいし、四六時中一緒というわけにもいかない。

ああ、ダメダメ。好きな人と夫婦になれて幸せじゃない。夜は必ず一緒に寝るし。不満なんて何一つないはずよ。
さて、今日も王妃としての務めを果たしましょう。私は宮殿の端から渡り廊下を通って、庭の真ん中にあるドーム状の建物に向かう。

そこは宮殿に住む身分の高い女性たちのサロンで、お茶を飲んで語り合ったり、楽器を弾いて歌を歌ったりしている。庭には正面の噴水庭園とは違う、田舎の雰囲気が漂う素朴な草花が茂っていた。女性たちがくつろげるように、と前国王が指示して作ったものらしい。


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