ただの幼なじみ、だったのに…!?
「あ、そーいえばさ、入学式って何時からだっけ?」

「確か、9時じゃない?35分までに登校だったけど、まだみんな教室にいるし。」

「じゃあ私、下にいちごみるく買いに行ってこよーかなー。」


朝から何も飲んでないし食べていないから、さすがに喉が渇いたのだ。


「あ、んなら俺も行く。朝から走ったから喉乾いた。」

「悠も?んじゃあ行ってこよっか。」


行ってきまーす、と私はりのちゃんに手を振った。


「ほらはやく行くぞ。」

「わ、ちょっと、頭に腕のせないでよー。」

「だってちょーどいいんだもん。」

「これ以上身長縮んだら困るんだからー。」


そんなことを言いながらも、楽しそうにくしゃっと笑う悠の顔が昔から好きで

私はその腕からよけられずにいた。
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