ただの幼なじみ、だったのに…!?
「そんなんでいーのかねぇ。恋したいんでしょ、ゆらは。」

「そう!そーなの!高校生になったら、絶対恋愛したいなって思ってるの!」

「でも綾瀬にべったりじゃ無理でしょーが笑」

「悠はただの相談役なのー。そーゆーんじゃないの。」

「ふーん。」


実際、恋への漠然とした憧れはあっても、どうやってするのかもどうしたらいいのかも全くわからない。

そもそも好きな人ってどうやってつくるのかさえ、私にはわからないのだ。


「ほら、もーそろそろ帰っぞ。周りみんな帰ってるっぽいし、お前カフェ行きたいんだろ?」

「あっ、行くっ!ばいばいっ、りのちゃん、天海くんっ。」


私は2人に手を振って、悠の横に並んだ。

確かに悠はかっこいいし背も高いし優しいけど、そーゆーんじゃないな。

このときの私はまだ、そう思っていた。
< 21 / 519 >

この作品をシェア

pagetop