エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
「違うの。ただ家族を巻き込みたくないと思ってね。だけど、私一人の力じゃどうしようもないの。助けてくれる?」

 望が、不安げに聞くと、

「もちろん。君を助ける為になら、ない頭を使って必死に考えるから…」

 やっと、いつも通りの優しい谷川の声になって言った。

「ありがとう。まず、今日買い物に行ったらね…」

と、望は話し始めた。

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