エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
 中条家に重大な問題が発生していた。

 中条は、胃ガンに侵されていて、それらがあちらこちらに転移してしまっているので手の施し様がない。
 余命、三ヶ月と宣告されたのだ。

 中条自身にも、告知され
(自分は一体なんの為に生きてきたのだろう…)

 そう考えると虚脱感が襲い、病状は益々、中条の体を蝕んでいった。

(俺は神サマに背いて生きてきた。だから天罰があたったのだ。俺が死んでも悲しむやつは誰もいない。でも、俺が死んだらあの子たちはどうなる?死ぬ前にせめて、父親らしい事が出来ないものだろうか…)

 そう思うと、ケイタイを取出し、源にかけてみる事にした。
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