エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
(さあ!アイツらをどうやって追い詰めようか。)

 美佐子は久しぶりに、全身の血がたぎり高ぶる自分を感じた。

(中条が死ねば、目障りな奴らをみんな消してスッキリすると思っていたのに、思わぬネズミどもがチョロチョロしやがって…まあ、おかげで楽しいゲームは出来そうだ!きっと黒沢もそう思っているに違いない。)

 確実に、『悪』たす『悪』は二乗分の働きをしていた。

(アイツらはあのペンダントを誰に渡すつもりなのか?勇?それとも火菜?あの子たちも監視しなくては…)

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