God of Beast
不安定な挙動と共に、宇宙艇は大気圏へと突入する。

進入角がかなりきつい。

無事着陸できるかどうかさえ怪しい。

「しっかり捕まってて!安全の保証は出来ないわよ!」

必死に操縦桿を操るスピカ。

そんな彼女に。

「この惑星に空気はあるのか」

ウラヌスが言う。

「この惑星に酸素はあるのかと訊いている」

「さ、酸素は…あると思うわ。でも何で?」

「フン」

激しく揺れる宇宙艇内部を、ウラヌスは歩く。

「空気さえあれば、こんな宇宙艇どうという事はない」

ウラヌスは宇宙艇のハッチを開き、墜落とも言える急角度で降下する宇宙艇の外へと出た。

体内を巡るエネルギーをコントロールしての浮遊技術。

ある種、超能力にも似た能力であった。

ウラヌスに限らず、異星人にはこういった特殊な能力を持つ者が多い。

外へと飛び出したウラヌスは。

「ぬぅん!」

降下する宇宙艇を、両手で受け止める!

何千トンもある宇宙艇。

その巨体を、人1人の力で受け止め、あまつさえ落下を止める。

信じられないパワーだ。

ウラヌスほどの能力値ともなれば、造作もない事だったが。

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