Love Summerー幼なじみを卒業ー
ニヒルと笑いながら、数年ぶりにママを(妄想の世界で)卒倒させる。

こればかりは、私と永君の意見が合致してるだけあり、ママたちに隙入るところはない筈。

--ドタバタ…ッ



「どうしたの?そんなに慌て――…」



「やられた」



「何を?」



「開かねぇんだよ!慧汰と悠汰の部屋のドア!」



「……嘘でしょ!?」



しかし、敵は先を読んでたかのように、お兄ちゃんたちの部屋はおろか、1階にあるパパの書斎や夫婦の寝室にも鍵を掛けて出掛けてた。

寝室に入れないとなると、客用布団もない。

ドアを壊したら、ママが怒って面倒。



「布団取って来る」



「そうだね」



じゃあ私は、一先ずご飯の準備。

永君には悪いけど、リビングで寝て貰わないと。

--ドタバタ…ッ

…また何かあったの?;;



「……家の鍵が開かねぇ……」



「そこまでするっ!?」



ソファーへと倒れ込み、意気消沈の永君。

そんなに落ち込まれると、ちょっと寂しいけど、鍵は変えないでしょ;;

永君のキーケースからはみ出た鍵と、我が家が預かる桜澤家の鍵を見合わせてると、何やら鍵の番号や凸凹が違う。



「この鍵……」



「あ?」



「すり替えられてない?」



「…………」



「手が込んでるねぇ;;」



鍵置き場にある、我が家の鍵と一致し、問題は解決。
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