Love Summerー幼なじみを卒業ー
「“久しぶり”って、何!?」



「知らねぇ」



「私の事、忘れたのぉ?」



「忘れねぇよ……」



「何で噛み合うの!?」



「知らねぇよ!」



俺の腕を叩いて暴れながら、永君と言い合う悠李は、次第に地団駄を踏み始めた。

これはどうしたら良いのか。

俺が助け船を出すのか?



「もうっ!お兄ちゃん、いい加減にして!永君の知り合い女性を連れて来る為に、変装して馬鹿なのっ!?」



「えっ……;;」



「“お兄ちゃん”?てか、離れろ愛叶」



「うっ……;;」



「“愛叶”??」



…何でバレた!?

顔、別人だろ??



「声も香水もその腹筋も!どれもお兄ちゃんじゃんっ!」



「あぁ;;」



…そこまで気にしてなかったな;;



「お前も。そのムチムチ感と化粧品の匂いでバレバレ」



「そんなぁー……っ!」



「――頭、かち割ってやるか?」



「「すみませんでした;;」」



「永!俺に免じて止めてやれ!」



「悠李なら大人しくくれてやるぅ!!;;」



「――パパっ!!」



「はい……っ;;」



…あーりゃりゃこーりゃりゃ;;

だから馬鹿の作戦は嫌なんだよな;;
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