強引同期に愛されまして。


 十六時の会議スペース。顔を揃えたのは、技術部から初音の旦那様である九坂浩生(ひろお)さんと三笠康介(みかさ こうすけ)さん、システム開発部からは私だ。


「あれ、肝心の田中くんは?」

「今、茶、淹れに行った」

「三浦さんじゃん。座んなよー、こっちこっち」


"謝らない男"こと怖いイケメンは眉間にしわを寄せたまま面倒くさそうに答え、チャラいイケメンは自分の隣をポンポンとたたく。
まあ、どこでもいいですけどね。また対極なCEが担当になったものだ。


久坂さんは私の五つ上で、三笠さんは二つ上の先輩になる。三笠さんの弟は役者らしく、よくチケットを社内で販売しているのを見かけるなぁ。いつでもだれにでも愛想がいいけど、さらっとしてるから誰からも本気にされてはいない。


「今回の仕事どうかね」


三笠さんが言うと、九坂さんがボソッと返す。


「案件としちゃ悪くないだろ。ただ、仕切るのが田中ってところが問題だ」

「まあでも、この仕事成功すれば、次につながりますよ。他にもICT化したい学校っていっぱいありますもん」


私が言えばふたりとも頷く。
仕事としてはとてもいい。それは私たちの誰もがそう思っている。
問題は仕切るのが田中くんってところだけだ。

< 31 / 100 >

この作品をシェア

pagetop