悪魔な先輩の彼女になりまして……

「どういうことだ?ナツメ」



「先輩」



「…………」



「わ……別れ、ましょう」




言えた。


言えたよ、言えた。




もう大丈夫ですよ。


完璧な元カノさんのところへ行ってください。


私、追い掛けたりなんか……しませんから。





沈黙が流れる。


深くて、重たいこの空気の中で息をすることは難しい。



私は嗚咽が漏れないように口に手を当てて抑えるけれど、時々零れそうになる。



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