鎖骨を噛む





健司はニヤッと笑って、机の上で乱暴にタバコの火を消して、立ち上がった。



「なくしたフリをしたのさ。確実に仕事をするためにね。」



「仕事? フリーターだって言ってたじゃん!」



「まあ、世間的にはね。」



「……何の仕事をしてるの?」



「そうだなー、依頼を受けて、ターゲットを殺してお金をもらう仕事。」



私は健司との距離を取るために、徐々に後退りした。



「それって……殺し屋ってこと?」



「簡単に言えばそんな感じ。」



そして、健司はズボンのポケットからナイフを取り出した。




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