毒舌王子に囚われました

「どうした。もうギブアップか」

「秋瀬さん……なんでそんなに普通なんですか？」

「このくらいでへばってどうする」

「それは……そうなのですが」


頭が、ぐらぐらする。

身体が、熱い。


「ほら、飲めよ」

「これ以上飲んだら、急性アルコール中毒になっちゃいますー！」

「へぇ。お前、先輩からすすめられる酒は飲んで。俺とは酒、飲めねぇのか」

眉をつり上げてそんなことをいう秋瀬さんだけれど、口元は不敵な笑みを浮かべている。

「やっ……、そういう、わけじゃ、」

「稚沙都が言いだしたんだろうが」

「おっしゃる……とおりです」


私は、お酒に、めっぽう弱い。

だから、たしなむ程度のお酒が飲めるようになりたくて、秋瀬さんにお願いをした。

今夜、とことん付き合って下さいと。