毒舌王子に囚われました
言い訳などするつもりはない。
ただ、ひとことだけ弁明させて欲しい。
ありきたりかつバカっぽいことを承知で。
『こんなはずでは……、なかったんです』
*
創作居酒屋の、賑わう個室で。
会社の仲間十数人で飲み会をしている、花の金曜日。
わたしには、目下(もっか)、不安なことが1つだけあった。
それは、酔いつぶれてしまわないか――ということだ。
グラスにまだ半分は入っているカクテルをよそに、
「次、なに飲む?」
とグイグイすすめてくる先輩連中。
「すみません、これ以上は……」「えー? 付き合い悪いよ」
軽く遠慮したくらいじゃ説得できない。いや、むしろ逆効果だ。
先輩たちは、新入社員のわたしを潰す気満々にみえる。
おっかない……!
「それじゃあ、あと1杯だけ……」
「そうこなくっちゃ!!」
先輩のギラギラした目、怖いです。
ただ、こうして歓迎会を開いてしてもらったのは、素直に嬉しくて。
その気持ちに応えたいと思うし。
社会人なのだから、お酒くらい付き合えなくちゃという想いが勝り。
すすめられたお酒を飲むことで、わたしでもその場を、少しでも盛り上げられたらいいなと思ったんだ。
だが、その考えが浅はかすぎるということを、翌朝、十二分に知ることとなる――。