毒舌王子に囚われました



言い訳などするつもりはない。

ただ、ひとことだけ弁明させて欲しい。

ありきたりかつバカっぽいことを承知で。


『こんなはずでは……、なかったんです』






創作居酒屋の、賑わう個室で。

会社の仲間十数人で飲み会をしている、花の金曜日。


わたしには、目下(もっか)、不安なことが1つだけあった。


それは、酔いつぶれてしまわないか――ということだ。


グラスにまだ半分は入っているカクテルをよそに、
「次、なに飲む?」
とグイグイすすめてくる先輩連中。


「すみません、これ以上は……」「えー? 付き合い悪いよ」

軽く遠慮したくらいじゃ説得できない。いや、むしろ逆効果だ。

先輩たちは、新入社員のわたしを潰す気満々にみえる。

おっかない……!


「それじゃあ、あと1杯だけ……」

「そうこなくっちゃ!!」


先輩のギラギラした目、怖いです。

ただ、こうして歓迎会を開いてしてもらったのは、素直に嬉しくて。

その気持ちに応えたいと思うし。

社会人なのだから、お酒くらい付き合えなくちゃという想いが勝り。

すすめられたお酒を飲むことで、わたしでもその場を、少しでも盛り上げられたらいいなと思ったんだ。


だが、その考えが浅はかすぎるということを、翌朝、十二分に知ることとなる――。


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