毒舌王子に囚われました
*
――あれ。
わたし、今、なにしてた……?
「…………」
うっすらとまぶたを開けば、視界に入ってくる天井は見慣れないもので。
そこで一気に眠気が吹き飛んだわたしは、慌てて身を起こす。
「ベッド……え、寝てたの?」
そう。寝てたのか。でも、なんで寝ていたの?
わたしは、さっきまで……
誰かといたはずなのだけれど。
あ、そうだ。飲み会。
新入社員の歓迎会に参加していたはず……!!
徐々に記憶を取り戻す。
この春入社した、とある文房具を取り扱う会社の経理事務として働くわたしの名は、土生 稚沙都(はぶ ちさと)。もうすぐ23。
よかった。名前も歳も、身分だって覚えている。
で。ここは、どこ……?