毒舌王子に囚われました


「まだまだお若いですよ、部長は」

その若さはどこからくるんですか……って、あれ。

牧田部長、わたしのこと名前で呼びました?


「……そっか」

「ところで部長、この部屋の電気って……」

薄暗い。これじゃ、まともに作業できない。

「あ、これですか?」

スイッチらしきものに手を振れようとした、そのとき。

「実は、最近妻と上手くいってなくて」

そういって、部長がわたしの手を背後からつかんできた。

「……っ、ぶ、部長?」

「別居中なんだ」

「……そ、そうなんですか」

……って、なぜ、耳元で囁くのでしょうか!?


「おかげで身の回りのこと全部やって、仕事もさっきいった通り忙しくてね」

「それで……お疲れだったんですか」

「まぁね」

それなのに、歓迎会に顔出してくれたんだ。やっぱり部長、優しい。

でも、なぜ、手を離さないんですか……!?

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