彼女の恋愛偏差値


「ねぇ。メガネって寝る時もつけてるもん?」

「あ~、オレはけっこうつけたまま寝てるかも」

そう言いながら、彼はメガネを外す。

うわわわ!

見慣れない顔は私にとってまるで別人のようだった。

今までちゃんと見たことがなかったけど、武田くんってけっこうきれいな顔してるんだ。

メガネを通して見る目は冷たく感じていたけど、今の彼の瞳はとてもやさしい。

それは私の見る目が変わったから?


「あんま見るなよ」

彼は照れくさそうに呟く。

「あ、ごめん」

じっと見つめていたことに気づき、私も恥ずかしくなって顔をそらした。


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