彼女の恋愛偏差値


「なぁ」

しばらくすると。
武田くんが天井を向いたまま、声を掛けてきた。

「ん~?」

「キスしていい?」

は?

き、きき、キス~?
キスですと!
あ、あの口と口を合わせるヤツですか!


かぁ~っとなるのが自分でもわかる。

見かけによらず。
武田くんって、けっこう、ううん、かなり大胆。

「なっ、なっっ、なにそれっ!!普通、訊かずにするもんじゃないの?」

「さぁ。普通は知らない。オレ、だってキスしたことないし」

「ふ~ん」

サラリと彼が言うので、サラリと聞き流そうとした。

けど、色々なことが浮かんできて。
それ以上、言葉が出なかった。



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