西城家の花
熊を追いかける花の日々





「おい大志。おい、おい!!いい加減起きろ大志!!!」





誰かに揺さぶれる感覚で夢心地だった大志のまぶたがゆっくり開かれると、見慣れた顔がそこにはあった






「…なんだ、敦司か…」





居眠りを注意しに来た教師ではないとわかった途端、また机に突っ伏して寝ようとする大志に敦司と呼ばれた男が慌てて大志の巨体を揺さぶった






「お前いつまで寝てるつもりだ。授業なんてとっくのとうに終わったわ!」






その言葉にむくりと起き上がると、大志は眠たい目をこすりながら辺りを見渡し、事実であると確認するとゆっくりと帰り支度を始めた






「ったく、歴史の須川が顔を真っ赤にさせて怒ってたぞ。たぶんお前、明日呼び出し喰らうぞ」





「それは…面倒なことになったな…」





まだ正常に稼働されない頭でなんとか敦司に言葉を返すと、大志はのそりと椅子から立ち上がった





大きなあくびをかきながら、昇降口に向かおうと歩み始めると、後ろからくっついてくる敦司の口がまた開いた






「そーいやさっき柔道部の先輩たちが来て、練習相手になってほしいって、当然行くだろう?」





あらゆる武道に精通している大志だが、意外にも部活などには入っていないため、今のようにたびたび部活の助っ人や練習相手として呼び出される





いつもならすぐに承諾するのだが、今日はあまり気乗りせず、うーんと悩んでいると、敦司が怪訝な表情を浮かばせながら顔を覗かせてきた






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