スイーツ王子と恋するレシピ
悪魔との対決
「おまえが勝ったら、悪魔のショコラロールケーキは今後一切作らないし、この店もここから撤退してやる」
 シカオは言った。そしてさらに…。

「オレが勝ったらおまえの店の看板をシカオ・シブヤに変えろ」

「はぁ!? なんだと!? 何言ってんだ!!」

「もちろんあんなダサい店じゃ恥ずかしいから改装してもらうがな。悪い話じゃないだろう。つまりシカオ・シブヤの傘下に入るってわけだ。売り上げの30パーセントを収めるだけにしてやるよ。今までよりも稼ぎは多くなると思うぜ」

「アホらしい! そんな勝負できるか! もういい! 帰ろう、ココ」

 確かにひどすぎる。勝手にケーキを真似しておいて。

 わたしたちは帰ろうとした。しかしそのとき

「フン。負けるのが怖いのか」
 とシカオが挑発してきた。

「その手にのるか!」
 と、恵斗さんは一蹴。

 わたしたちはシカオのことは無視をして、いつも通り営業を続けることにした。


 しかし、あれから数日…。


 カフェのお客様はチラホラ。だけど、シャルロットのケーキの売り上げはガクンと落ち続けているのだ。

「見て。悪魔のショコラロールケーキだって」
「やだ! シカオ・シブヤのパクリ?」
「いくら近くにあるからって、人気にのっかろうとするなんて」

 何も知らないお客さんはそう言って帰っていく。

 パクリはあっちなのに~!!

「だからこの商品を店頭に並べるのはやめておいた方がいいって…」
 と言うオーナーに恵斗さんは

「やだね! コレはオレのケーキなんだ!」
 と、頑固。

 そうなんだけど。恵斗さんは悪くないんだけど。

 あーん、どうしたらいいんだろう。

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