スイーツ王子と恋するレシピ
運命の恋
 しばらく沈黙が続いた。

 余計なお世話。本当だよね。ここはフランス。日本とは違う。3人に一人は不倫をしているって聞いたことがあるし、恋愛に関して自由な国なんだってことはわかる。

 でも…。

 レオが求めているのは、不特定多数の女性との一夜限りのアバンチュールではないような気がするの。
 それがレオの作ったマカロンを食べたわたしの感想。

 男と女について。結婚と恋愛について。心が離れてしまうこともあるけれど、好きな人と結ばれて生まれる絆は、必ず人を強くしてくれる。
 それは万国共通の感情なんだ。

「そうか、そうやな」

 わかってくれた?

「運命の相手。オレも遊びやのうて、本気で探さなあかん時が来たようや」

 うん、うん! そう、そう!

 わたしは嬉しくなって、ブンブンと首を縦に振った。

「ココ」

 へ?

 レオがわたしの腕をつかんでる。

「オレと結婚しよう」

 ええーーーー!??

「オレとこのルナ・ロマーヌにはココが必要や」

「いえ、あの、ちょっと、それは困りますぅ」

 わたしはレオの手を振りほどこうとしたが、離してくれない。

「なんでや。運命の人を見つけろ言うたやないか」

「だからぁー! わたし以外で!」

「ココがええんや」

「だめです! わたしには恵斗さんがいます!」

「オレの方がココを深く愛せる自信がある」

 な、なんという、根拠のない自信!
< 42 / 46 >

この作品をシェア

pagetop