全ては君が知っている
昼休み終了、10分前になると、誰もいなかった講義室にも人が増えてきた。
それは、陽太くんがこの教室に現れることも意味している。
私は、憂鬱な気分で机に座っていた。
すると……
「──古宮。」
何度も呼ばれたその名前。
聞きなれたその声。
今は嫌悪しか感じない。
私は聞こえないふりをして、前を向いたまま黙っていた。
すると、肩をポンとたたかれる。
私は、ビクッとして思わずその腕を掴んでいた。
そのままの勢いで振り返ると、いつもと同じ顔をした陽太くんが立っていた。
「あ、ごめん……。聞こえてないみたいだったから、肩たたいたんだけど……驚かせた?」
その言葉に答えず、私は手を離すと再び前を向いた。
「……古宮?」
「……ごめんっ。……今は一人にしてっ……。」
必死で声を絞り出す。
すると、陽太くんから驚きの言葉が発せられた。