名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「そういうところって何」

「ノリがいいところ。っていうか、変顔?」

「ひどい! でもわたしもそうちゃんのそういうところ、好きだよ。多分わたしの方が好き」

「ばーか、うっさい」


何言ってんの、と弾む声を聞きながら、わたしもおどけて笑ってみせる。


変顔だっていい。ノリだと思われたっていい。


確かに今のは、告白じゃないから。


……でも、ねえ、そうちゃん。


わたしね、そうちゃんが本当に好きだよ。


今のわたしたちには、付き合って彼氏彼女になるより、幼なじみでいる方が大事で居心地がよかった。


だから、言わない。

ずっと、言ってない。


そういうところ、だなんて誤魔化して。


でも、でも。


もう随分前から、わたしは、そうちゃんのことが、好き、なんだよ。




——軽やかな好きが言えていた頃の。


馬鹿なやりとりをしていた頃の、日常はほろ苦く、甘い。
< 14 / 62 >

この作品をシェア

pagetop