名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
そんなのは気にしないで、がばりと頭を下げて拝む。


「貸してくれてありがとう、すきあいしてるありがとう、ほんとすき、ありがとうありがとう」


早口の平伏にそうちゃんは瞠目して、噴き出した。


お礼だと分かった途端に、ツボに入ったらしい。


「ま、待てお前何だそれ、笑うんだけど……っ」


盛大に噴き出すそうちゃんを、また拝む。


「うわーんひどい、でもありがとう、すきー」

「ばか、やめ、やめろ、腹痛い……っ」


あんまりひきつるので、お腹がよじれている。


バンバン床を叩くそうちゃんに、だんだんこちらまで面白おかしくなってきて、しまいには感謝より笑いの方が勝ってしまった。


「すきー」


ついでに変顔もしながら、爆笑するそうちゃんを覗き込む。


耐えきれずにお腹を抱えたそうちゃんは、ひとしきり笑って、そうして、満面の笑みで言った。


「俺も、好きだよ。お前のそういうところ、すげえ好き」
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