一之瀬さんちの家政婦君

デリバリーされたばかりの料理を確認しようとドームカバーを取る。

霜降りのお肉が皿に乗り、野菜が料理を彩っていた。

湯気にのせてソースの香りが鼻腔をくすぐる。

デザートも毎回頬が落ちそうなほど美味しい。


美味しいのだけれど――…


「毎日は身体にもちょっと……だよね」

美食を追及したものは健康とは反比例しているようで、あの夜会にいた金持ちのような体型になってしまう未来を想像すると恐ろしくなる。

そんな時、ガチャッと玄関のドアが開く音がして和真が帰宅した。

彼は黙ってリビングに入ると、すぐにコートを脱いで飛鳥に手渡した。

「お帰りなさい」

「あぁ、ただいま」

そして、彼は飛鳥の肩を抱き寄せて額に軽くキスをする。

帰宅時のお決まり。


ここは日本だっつーの……


飛鳥は膨れっ面で顔をそむけてみるも、その頬は桜色にほんのり染まる。

こういうスキンシップに不慣れなのだ。

彼がどういうつもりでこんな事をするのかが分からない戸惑いもある。
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