日向くんを本気にさせるには。



廊下の方に向かって出て行くと



「あっ、よかったぁ。来てくれて。」

相変わらず女の子らしい可愛い声
こちらに向けられた天使みたいな笑顔


「海…ちゃん。」


案の定いたよ、わたしの予想してた人が



「この前のことがあったから来てくれないと思っちゃった。」


海ちゃんは笑顔だけど、とてもこの状況で笑えるほどわたしはできた人間じゃない


「それで…用って何かな。」


言葉が詰まる
この子と話すと何言われるか
わかんないからすごく怖い


わたしの知らない日向くんをこの子はたくさん知ってるから…



「ふふっ、そんな怖そうな顔しないで?」


「わたし海ちゃんと違っていま頭の中いっぱいで余裕無いからね…。」


早く切り上げてこの子から離れたい…



「余裕無いんだぁ?」


「無いよ…。」


「ふふっ、わたしと月夜のことが気になってるからでしょ?」



わかっててこうやって呼び出してくるって…この子ほんと何考えてるの

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