【完】キミにぞっこん
「莱久と別れてからもうマジでどうでもよくて、きっとこの先莱久を超えるやつなんて現れないって思ってた」


「…うん」


「でも、愛來と出会ってからさ。愛來は莱久すら超えるんだ。簡単に。俺の心全部もってって。愛來のためなら仕事疲れてても電話したいとかちゃゃんと付き合っていくための努力をしたいって思えたんだ」



星那はところどころ照れたように笑いながら話す。


そんな星那が愛おしくて仕方ない。



「いままで簡単に女を喜ばせてこれたのに、愛來だと調子狂ってたくさん傷つけたこともあった。喧嘩もしたし。でもそれは愛來のこと真剣だから。真剣だからうまくいかないことばかりで…」



星那の言葉のひとつひとつに重みがあって
心が暖かくなる。

星那がこれから何を言おうとしているのか
バカなあたしでもよくわかる。

でも、ひとつのひとつの言葉を
噛み締めるように言う星那から目が離せない。



「愛來、俺と結婚してください」



< 232 / 235 >

この作品をシェア

pagetop