【完】キミにぞっこん
「いや、そんな俺仕事できるわけじゃないし」



如月さんが照れたような顔になる。



「早瀬が言ってましたよ。如月さんはすごいって」


「へー?早瀬が?」


「なんか憧れてるらしいです」


「ふーん」



如月さんが笑って



「あいつなかなか鍛えがいありそうだからな」



そう続けた。



「たくさん鍛えてやってください」



早瀬は如月さんに気に入られてるみたいで
よかった。



「早瀬のことすきなの?」



如月さんがあたしの顔をのぞき込む。



「え?」



なんでそんなことを言われるのかわからない。

あたしは少なくとも
早瀬よりも如月さんを気にしてるのに。



「好きなんじゃないの?」


「いえ、ただの同期です」


「ふーん。よかった」



如月さんがあたしから目を逸らす。


…よかった?


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