ロリポップ~甘い甘い恋に堕ちましょう


「私も、ひとり暮らししたいんだけどさぁ。親がさせてくれないんだよね」

「そっか」

「じゃあ、こっちでどこに住んでんの?」

「あ、笹塚(ササヅカ)です」

「じゃあ大学から近いね」

私たちが通うキャンパスは1・2年と3・4年で校舎が違って。
1・2年の時は笹塚から一駅なのです。

だから、徒歩で通うつもりです。

「いいなぁ、渋谷にも出んのラクだし」

「うん」

おお!

ありさちゃんが私を見つめてます。
美人さんに見つめられるとドキドキするなぁ。

「ごめん。私、よく喋るから。……もしかして、ひいてない?」

おりょ?
そんなこと思ってたのか。

「ううん、大丈夫。ひいてないよっ」

アセアセ。
両手をブンブンさせて全否定。

「よかった。じゃあ、もともとおとなしいほう?」

「ちょっと人見知り。かな?へへ」

「あー、そうなんだぁ。人見知りってかわいいよね」

んん?
人見知りがかわいいですか?

「人見知りするコってかわいいよ。うらやましい」

へぇ!
人見知りなんてすごく損してるような気がしてイヤだったんだけど。

そう言ってくれる人もいるんだ。ありがたいなぁ。

「私はありさちゃんみたいにすぐ仲良くできる人がうらやましいなぁ」

「うるさいだけじゃん?」

「うるさくないよ」

フフフフ。
ふたりで顔を見合わせて笑っちゃいました。


ありさちゃんが人懐っこいせいでしょうか。

でも、ズカズカくる人は苦手なんですけど、初対面の人なのに、私もけっこう話ができてすごくリラックスしてます。


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