僕のいる理由
初めまして
僕は決して目立つ方じゃない。みんなにはなかなか気づかれない。でもそれが嫌なわけでもない。ましてやこの不自由ない生活に不満があるわけでもない。ただ僕には友達がいない。学校で話しかけてくれる人は、幼馴染みのマーティーや先生くらいだ。「おいジェフ。調子はどうだ?」おっと訂正だ。僕をからかういじめっ子が一人。そいつはルーカス。くそくらえだ。まあ、そんなことあいつには絶対言わないけどね。周りのケラケラ笑う声が聞こえる。「ありがとうルーカス。」そう言って流すしか僕にはできない。そうそれが僕。弱いし逃げ道があるならどんなにマヌケでもそこへ向かう。もっといい道があるのかもしれないがそれは危険が伴う。だったら僕はこれでいい。「よう!ジェフ!」「やあ、マーティー!」マーティーは何かと僕を気にしてくれている。彼はイケメンで人気のある人だ。それでも僕に話しかけてくれる唯一の友達だ。「調子はどうだ?」そう言われ僕は彼にこう言った。「それを聞いてきたのは君が2人目だよ。」どうゆうことだと言わんばかりの彼に、マーティーに言われたと伝えた。「ジェフ、あいつのことは気にするな。ただ目立ちたいだけだ。」「ならその点では彼はわかってるよ。」冗談ぽく受け流すとマーティーはようやく笑ってくれた。僕はこんなに優しいルーカスを悩ませたくない。「じゃあまたな。」手を挙げマーティーと別れて教室へ向かった。パーティーがもうすぐ控えているクラスは心が浮わついてる人が多い。
 休み時間、ランチを素早くとった僕は次の授業の教室へみんなより早く向かった。みんなのいない教室はとても心地いい。一人で窓から外の景色を見るのが好きだ。けど今日は風が強い。だから外を眺めるのはやめようか、なんてそんなことを考えながらな中庭を歩いていた。そうだ、あの時僕はまさしく浮わついていた。今朝クラスで見たみんなのように。だからあんなことが起きたんだ。僕は目立ちたい訳じゃない。むしろ今までのような生活でいい。
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