ミステリアスなユージーン
……ちゃんと食べてるんだろうか。

もしもこの時期に体調不良になんてなっちゃった暁には、


『どうしてくれるんですか?なんの取り柄もないアラサーどころか、俺の優しさを仇で返して病気にするとか疫病神ですか、あなたは』


とか言われたりして……怖い。これ以上嫌われたくない。

「……あのさ、ちゃんとご飯食べてる?」

「は?」

問いかけると彼がこっちを向いたから、私はそのまま彼の額に手の平を押し当てた。

「平熱何度?」

額に触れた私に佐渡君は少し驚いたように瞬きをしたけれど、小さな声で答えた。

「……35度」

35度?!嘘でしょ?!

「マジ?!じゃあ熱あるんじゃない?!しんどくない?!」

「……そう……いえば……」

やだ、どうしよう。

「わかった、取り敢えず私も佐渡君の駅で降りる。家まで送るよ」

佐渡君は瞳を伏せたまま小さく息をついた。

「俺は……平気です」

「だめ!」

ここで見捨てて帰ったら、後でどんな毒舌で攻撃されるか分からない。
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