ライトブルーの香りは今でも







あの後、二年生から上の学年は
テストを受けた。





実力を見るテストで主要教科のみ出題される。





私は先程も少しお伝えしたように数学だけがいまいちの成績。



今回は大丈夫、そう思ってテストを受けた。









テストも難なくこなしLTが終われば
部活動の時間。


私は運動部ではなく文化部。







文化部の中の写真部という部活をしている。



今は副部長として七人程の仲間と
活動している。






今の目標は七月のコンクールへの提出。



それまでの間に沢山の写真を撮る。







写真部は一旦集まって説明を
受けるとそれから自由行動。




帰宅時間まで部員とは
コミュニケーションはしない。





というか、それぞれテーマに合った写真を
撮っている為に会う事が少ない。







私は運動部の子達に許可を貰って
写真を沢山撮っていた。




私の中の青春はやっぱり運動部の人達かな、と思ったから。







最初は華山高校で一番強いと言われる
バドミントン部を訪問。







体育館の中でシュンッと素早さを強調する音を
立てながらシャトルを当てている部員達。





その輝かしい姿に私は勝手に
身体が動いていた。





夢中になっていたからか誰かと
ぶつかってしまう。





夏実「ごめんなさい…!」







私は反射的に顔を見る前に頭を下げた。



チラッとぶつかった相手を確認するとあの茶髪先生だった。







涼「いいよ、いいよ?俺こそ熱心に撮ってる時にごめんね」




「あ、い、いえ」








何だ、中身は普通の先生か。


安心した、と思った直後に…







涼「あ、残念なしてた子じゃん」







…前言撤回。

よく分からない認識をされてる私。
というか、今日初めて接触したよね…?





なのに残念な顔ってどういう事ですか。






涼「今日の式の時に見えてたよ、眼鏡ちゃんが俺の話の時に残念な顔してたのが」



夏「っえ、」






何も言っていないのに
疑問文に解答をしてくれた茶髪先生。




ムカつく程の笑顔で『心の声が漏れてたよ』という先生。






夏「ま、まず眼鏡ちゃんじゃないですから」





変な渾名を付けられて私は久しぶりに
少しだけ大きめの声を出した。




語尾に小さな『っ』が付くような
それ位の声を。







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