空と君とダイヤモンドと
「ありがとう」


『今まではみんなでお祝いできてたけど、今回からできないからな』


「そうだね」


『次いつ帰ってくる?』


「たぶん夏休みのキャンプ」


『なげっ』



星那が笑ってる。
星那が笑うとほっこりした気持ちになるんだ。



「星那、そんなにあたしに会いたいの?」


『そりゃそうだろ!俺ら物心ついたときから去年までずっと一緒にいただろ。俺が莱久に振られたときもいつだってお前は俺の近くにいてくれたろ』


「そう、だね」


『大丈夫?なんかあった?』



星那は昔からあたしの変化に敏感だ。
好きな気持ちには鈍感だけど。



「失恋したんだ」


『失恋?』


「うん。もうだいぶ前だけどね」


『忘れられないんだ?』


「うん」


『簡単じゃねぇよ。忘れるなんて。大丈夫?俺そっち行こうか?』



星那の優しい言葉に涙が止まらなくなる。



「大丈夫だよ。ありがとう」


『たまには電話して来いよ』


「うん。またね」


そこで電話は終わる。

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