空と君とダイヤモンドと
「予想通りの顔してくれた」



架純がにんまりと笑顔を浮かべる。



「ワカが選んだんだよ」


「え?ワカが?ありがとう!」



ワカに髪飾りをつけてみせる。



「うん。似合ってる」



髪の毛に触れるワカの手にとくんと胸が高鳴る。


ワカのことは大事な友達以上にはならないのに。
勝手に胸がときめいてしまうことがよくある。



「ケーキたべよ!」



架純がナイフでケーキを切り分ける。



「みんなありがとね。みんなといると嫌なことも吹っ飛ぶよ」


「なんかあったの?」



あたしのセリフに一瞬にしてワカの顔が険しくなる。



「ううん。そうじゃなくて」


「嘘だ。塁さん?」



ワカの口から出た名前にさっと顔を逸らしてしまう。



「なにがあったんだよ!」


「何も無いから!ね?ケーキ食べよう!」



ワカの手を払い除けて、テーブルの上に切り分けられたケーキむかう。

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