空と君とダイヤモンドと
「もう帰るの?」


「応援席のゴミ集めてからねー!」



うちの大学のほうのスタンドのゴミはあたしがいつも試合後は集めてる。



「赤嶺がそこまでするんだ」


「気持ちよく終わりたいしね!」



高谷くんに手を振って、応援席への階段を登る。




「K大だけじゃ飽き足らずM大の子にも手出すんだ?」



応援席への階段を登りきると見えた人影が佇んでる。



「…え?」


「もう大輝くんは飽きた?」



人影はニヤっと笑う。



「あ、あなたあの時の…」


「あ、覚えてた?」



既視感のある光景だった。
去年部活中に危険な目にあうところだった。



「まぁ…」


「M大の子もなかなかイケメンね。そっちにするの?」


「別にそういうんじゃないんで…」


「ふーん。まぁ、大輝くんは返してよね」



怪しく微笑むのがなんだか背筋がゾッとする。



「返してってなんですか?」


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