空と君とダイヤモンドと
「ワカー。大丈夫かー?」



ベンチで横になってるワカの体を良基がゆらゆら揺らす。



「とりあえず寮に連れてくべきだよ」


「待って。じゃあ俺荷物先に置いてくるからさ待ってて?」



良基がバタバタと自分とワカの荷物を持って走る。

普通ワカが先なのではないだろうか。
まぁ、いいか。



「ワカ?起きれる?」



あたしは寝ているワカを上から覗き込む。



「えり、な?」



パチッと目が合ったワカと見つめ合うような感じになる。



「起きたんだね。いま良基が戻ってきたら寮に一緒に連れてくから」


「ん…」



ワカは本当に辛そうで。
2年間一緒にいて風邪を引いたワカをそういえば見たことがなかった。



「こんなに具合悪いのになんで部活休まなかったの?」



ワカのおでこに触れると熱さが伝わってくる。



「部活に出たいから」


「体調崩しちゃ意味無いでしょ。いくら春のリーグが迫ってるからって」


「そうじゃねぇよ」



ゆっくりとワカが起き上がる。

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