空と君とダイヤモンドと
「塁さんこのままの調子だと来年のドラフトは確実だよな」


「だよねぇ。楽しみ!」


「どうですか?彼氏がプロ野球とか」



ワカがリポーターみたいにマイクをあたしに向ける振りをする。



「ハハッ。その前にワカがプロに行くから友達が先にプロ野球選手だけどね」


「うん。そうだな」



彼には〝プロになれないかも〟なんていう不安はないようで今年のドラフトで選ばれると自信たっぷりだ。



「さすがはワカ。自信満々」


「自信なんてねぇよ。でも、言霊ってあるじゃん。だからそう言い続けてるだけ」



ワカの言葉を聞いてワカも普通の人間なんだって思った。
高校野球や大学野球をやってる人なら誰もが知ってるワカでもこうして不安に思うんだ。
プロ野球選手って本当にすごいことどよな。



「すごいな。ワカは。あたしなんて塁くんがプロになったら遠くなりそうで今から不安なのに」


「先の心配しすぎ。塁さんはプロになっても変わらないだろ」



そうだとは思ってるけど。
先のことを考えるとやはり不安に思ってしまう。

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