空と君とダイヤモンドと

夏休みと就活⚾︎

「はぁー。暑い!」



北海道のくせに。
なんでこんなに暑いんだ!



「お疲れ」



星那がお茶をくれる。



「ありがとーう!あー!星那は?就活」


「ひとつ最終行ったけど難しいよな」


「本当に。もう何社受けたか数えれない。北海道に絞ってるからダメなのかなぁ…」



いくつか最終まで残ったはいいけど、決定まではなかなか至らない。



「諦めたらそこで終了だろ」


「星那」


「9回裏ツーアウトまで何があるかわかんないんだから」



高校の頃、これが星那とあたしの合言葉だった。



「2人で黄昏てなにやってんだよ」



頭上から聞こえた声。



「ワカ!」


「スーツってことは就活帰り?」


「うん!」



いまは野球部もキャンプ期間なのでこっちにきてる。



「瑛梨奈がいないキャンプってこんなにつまんねーんだな」


「そう言ってくれてありがたいよ」



自分がいないことでつまらないと思ってくれてる人がいる。
それだけで充分価値のある言葉だ。

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